ワインは当然ヴィンテージや造り手の表記はありませんが、ヴォーヌ・ロマネという村名が一万円を超えています。
ポジョレーやただのACワインが五〇〇〇円前後であります。
この店の料理ではガメイで充分です。
支払い額は「ラミティエ」などCPのいいフレンチより数割増し。
この店で目から鱗を落としているようでは、家人の料理でも毎回落とすことになります。
近所で、家に料理が用意されていないときなら訪問するといった店で、わざわざ訪ねる店とは思えません。
最後に、ぐるなびに飲み物のクーポンがついています。
おのれの狭い守備範囲の外はいっさい認めたくないのなら、レストラン評論家の看板を今すぐに下ろすべし。
そのほうが世のためです。
「どうってことないフライ」ときやしたか?それならば、ここのミックスフライを凌駕する逸品をお教え願いたい。
ふだん洋食屋に出入りしていないY里に、まず真っ当な答えはムリでしょうね。
同意見の同伴者とない知恵を絞り合いなさいまし。
永田シェフはかなりの腕をもつと思うのですが、残念ながら集客に苦労しています梱同じ場所にあった「レストラン・オオイシ」時代は一雇われシェフとして利益を考えなかったのか、完成度の高い料理を造っていましたが、居抜きで買い取り、オーナーになって家族運営に切り替えてから、CP感はかなり下落しました。
ワインの持ち込み料もこの手の店構えではかなり高額、ホールを担当するマダムの素人サービスなど、常連が離れていった要因はいくつか挙げられます。
「シェ・イノ」「プティ・ポワン」など老舗フレンチを評価するJC。
ここは一つ、才能あるシェフに店が繁盛するための有意義なアドヴァイスをしていただきたい。
それとも老舗の緩いフレンチの食べすぎで、よもや永田シェフの腕を見抜けないことはないでしょうね。
大江戸線の開通後も「陸の孤島」感の強い東麻布。
この忘れ去られた一画には意外にも人知れぬ佳店が粒揃い。
スタッフがみな若くて驚いた。
マダムではないと思われるサービスの女性には、いまだあどけなさが残り、頼りなさがつきまとうが、一生懸命さも伝わってきて、むしろ性格の悪い熟練者よりはいい。
立て込んでくると、男性スタッフも接客に現れてひと安心。
海の日を控えた三連休の一夜はまだ蒸し暑い。
さっそくビールを所望するとストックはキリン一番搾りのみにて、思わず眉が三時四十分。
当夜の献立はB(六〇九〇円)なるプリフィクスを二人前。
サプルマン(追加料金)は前菜の飽(円)だけで、意外に高くつくことのあるプリフィクスが、この店では常識の範囲内に収まる。
その鞄は夏に旬を迎える荒磯の王者。
一度煮含められてから、軽くソテーされ、自身の肝を使ったコライュソースとサマートリュフを添えて供される。
決め手のソースに深いコクがあり、夏の夜には格好のスターター。
フランス版天ぷらの鰐のベニエもいいデキで、添えられた天然香菜(コリアンダー)が鮮烈だ。
ところが脇にはまたズッキーニのソルベ。
いくら夏でも氷果がちと多すぎやしませんか?そのまた脇のセルヴェル・ドゥ・カニュ(絹職人の脳みそ)は本来チーズを使うところをョ−グルトで代用し、名前負けに終わる。
宮城産バルバリー鴨胸肉のローストには、串に刺した鴨のレバーとパイナップルが添えられるが、ガルニテュールの野菜たちがより魅力的。
熊本産馬肉フィレのグリエは生美をきかせたソースがポークジンジャーを連想させる。
馬肉自体は前夜食べた「フレーゴリ」よりも美味しかった。
コース料理で永田シェフのポテンシャルをおわかりいただいたようですね。
機会がJあったらおまかせの特別料理を頼んでください。
既存のコースではなく、コストセーヴを考えずに思いっきり腕を振るったシェフの料理を食べてみれば、グリル・グランドなどで今まで落とした「ウロコ」をすぐさま回収しに走ることになるでしょう。
前オーナーから引き継いだ常連を、営業方針の転換で失ったのが痛かった。
「損して得とれ」「目先の利益を追鰻」、「飲食店はそうは儲かるものではない」、夫婦に強く言ってやってください。我慢してCPを追及すれば、この地でも客はおのずとやってくると思います。
お二人様二万五〇〇〇円は再訪を約束させるお勘定だが、問題は集客ですか、Y里さん?なかなか難しい。
その夜もほかに三卓ほどのテーブルが埋まったものの、ワインのフルポトルがまったく出ていない。
良心的なワインの値付けをアビルして富裕層を狙うか、四〇〇〇円以下のプリフィクスで、若者に的を絞るかのどちらかだろう。
あとは篭城して地の活性化を待つか、城外に打って出ての移転しかあるまい。
料理、サービスに改善の余地和食、フレンチ、イタリアン、ほかには鮪屋と天ぷら屋。
たまに中華か鼈と、数えてせいぜい七種目。
よくぞご本が書けました。
この体たらくで、名立たるフードライターに噛みつき放題の極悪非道。
あまりに守備範囲の狭いY里は、おそらく普茶料理の「普」の字もご存じないのでは。
仕方がないから教えて進ぜよう。
普茶料理とは中国式の精進料理で、三〇〇年の歴史を持ち、「普く衆に茶を供する」ことをその真髄とする。
禅宗の茶礼の後の謝茶という食事会がそもそもの始まり。
丸卓によって上下関係を撤廃した会食は清廉潔白。
フルコースや和牛の霜降りばかり食べている飽食の輩・Y里には格好の精神修業の場になりうるのでは。
確かにY里は「普茶料理」なんて知りませんでした。
でも、今回の訪問での感想です。
「別に知らずに一生を終えても後悔しない料理だった」。
JCの挑発を受けて、私は普茶料理を調べました。
まず聞いたのがある料亭の主人。
「荒」のHPやネットで調べて、普茶料理は精進料理の一派で、もう一派が京懐石のもととなったと言われている「永平寺流」。
普茶は中国料理式のように直箸でとって食べる料理、ということがわかりました。
四人以上でないと予約できないかと思ったのですが、電話口の「一人でもいいですよ」には拍子抜けしました。
結局二人で訪問したのですが、ほかの精進料理と同じで銘々膳でした。
入谷駅から徒歩で十五分はかかるでしょうか。
案内された個室に上がって連れと顔を見合わせたのです。
かび臭い。
どうやったら清廉潔白な会食になるのか。
まずはカビキラーなど処置をおススメします。
すでに卓上には「しゃおびん」という前菜が用意されています。
かなり前から置かれていたようです。
普茶料理を一言で表せば「もどき料理」でしょうか。
「しやんつ」というのは吸い物らしい。
カボチャのポタージュみたいなものでした。
鰐に似せたこんにゃく(鰐ん)は鰐よりいかに似ています。
梅肉もまずい。
甘すぎです。
鮎もどきについた琴酢も甘いのには驚きました。
ほとんどの料理が造り置きで冷めている。
食べ終わらなくても運び込んでくるわけです。
お酒を多少飲んで(とにかく甘くて酒が進みません)で一万四〇〇〇円弱。
余りに高すぎるというものです。
普茶料理がすべてこんな料理なのか、たまたまこの店が駄目なのかわかりませんが、普茶料理が京料理の元にならなくてよかったと帰路つくづく思いました。
たまたま知った珍しい料理ということでの挑発でしょうが、醤油と化学調味料がお好きなJCのホームグランドは居酒屋です。
著書に高額和食や京料理がほとんどない理由がわかりました。
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